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No361 (2008/12/16)
寒い冬・・・

 何とも世の中は腹の立つことばかりですが、阿呆の麻生の話題はきりがないので止めておくことにします。

 恒例のイルミネーション批判ですが、これも阿呆なマスコミにつける薬はないようです。『温暖化だ、CO2排出量削減は待ったなし』だとヒステリックに叫ぶ一方で、毎年華美になる一方の年末年始のイルミネーションについては、能天気に『きれいですね!』だとは、彼らの頭の悪さはどうしようもないようです。今年の流行は太陽光発電や風力発電というクリーンな電力と、省エネの発光ダイオードの組み合わせだそうです(笑)。この国の報道機関の論理レベルは、まさにお寒い状況です。

 今年の平均気温は2000年以降最低になるようです。この冬も比較的寒くなるとか・・・。
 この寒い年末に向かって、大企業の首切りは苛烈なようです。ここ大分県でも御手洗のキャノンが大量の人員削減を行っています。しかし、このような状況が来るであろうことは労働者派遣法が国会に提案された当時から既に明らかであったことです。単純な労働にまで派遣労働を合法化すれば、人員削減のトラブルが回避できるからこそ企業はこの法律を必要としたのです。ある意味、この法律が提案された当時における労働者・国民の認識が甘すぎたことは否定できません。企業から見れば、何を今更であり、今こそこの法律を最大限に利用する時なのです。
 我々は、高い代償を払って企業が如何に冷酷で企業利益しか考えていないかを学びつつあります。合法的には企業の雇用停止を阻止することは出来ません。ではどうすべきか?今こそ、遅ればせながら労働者の生存権をかけて、労働組合あるいは大衆運動を再構築することによって、政治を動かすことが必要なのだと考えます。

 大衆運動で政治を動かせるか?これは動かせるか、ではなく動かさなければならないし、本気になれば動かせるものです。その一つの例が、このHPでも断続的にお伝えしている『大入島埋め立て』に対する反対運動だと思います。


 まだ、予断は許されない状況ですが、ついに大入島埋め立て以外の複数の代替案を行政が検討する段階にまで来たのです。地元住民の方々の粘り強い運動に敬意を表するものです。

 派遣労働の問題を契機として、企業と労働者、そして工業生産と環境問題について本質的な議論が開始されることを切に願います。


No360 (2008/11/21)
『地球の温暖化という現象』

 本編に沖縄高専の中本氏の『地球の温暖化という現象』というレポートを公開しました。このレポートは、2008年10月28日に琉球大学で海洋学を学ぶ留学生を対象とした講演の資料に大幅に加筆してまとめられたものです。海洋学を学ぶ大学生対象の資料ということで、多少専門的な議論や言葉が出てきますが、内容は明快であると思います。
 レポートでは人為的CO2地球温暖化仮説を例に、輻輳した内部構造を持つが、その微視的な機構の詳細が不明な問題について、得られた断片的なデータを用いて自然科学はどのように対応すべきかをまとめたものです。
 鍵となるのは『演繹』と『帰納』という二つのの思考方法の問題だと思います。まずは、注釈の部分は読み飛ばして全体のストーリーを読むだけでも十分意図は汲み取れるものだと思います。更に、注釈の内容はそれだけでも実に興味深い内容です。是非ご一読を!


No359 (2008/11/18)
麻生無責任・無策・ばら撒き内閣その2

 相も変わらず麻生内閣の迷走が続いている。何の有効な政策も出せないこんな状況ならば、いつ解散しようが国政が混乱するなどと言うのは杞憂に過ぎなかったことは明白だ。『景気の麻生』の目玉政策が税金のばら撒きと言うのだから開いた口が塞がらない。国の政策として給付金を配布するが、その尻拭いは地方自治体に押し付けた上に『地方分権だからいいだろう』等と言う不見識な無責任発言を繰り返す麻生に、さすがの従順な国民もあきれ果てるのは当然である。戦後稀に見るお馬鹿内閣であることがいよいよ明らかになってきたことは、ある意味、非常に良いことかもしれない。しかし、このようなお馬鹿内閣を戴くことは、国民としては誠に不幸ではあるが・・・。

 さて、空幕の田母神発言がまた物議をかもしているようだが、自衛隊の幹部のこうした発言は驚くに当たらない。この種の発言は、自衛隊幹部に限らず自民党議員からも繰り返し行われているものであって、むしろ自衛隊幹部の平均的な認識、そして自民党のごく平均的な認識であるはずである。
 今回の問題は、前の中山成彬の発言同様、与党自民党の平均的な認識ではあるが、これを国民向けに公言したことが問題になっているだけであることを確認しておかなければならない。先の中山発言の教組問題にしても、自民党内では同様の観点からの教組批判はその後も続いているし、国会審議にも現われている。
 与党自民党政権の基本的な立場は、戦後憲法を『改正』して、出来るならば戦前回帰の愚民政策の復興・強い軍備を持つ『大国』を目指していることはほとんど自明のことである。

 田母神発言を文民統制に対する反逆と解する報道が目に付くが、どのような政治システムを作ったとしても、軍事組織に対して文民統制を貫徹することは物理的に不可能である(唯一可能だとすれば、国権を統帥する独裁者の判断を国民ないし国会の判断だとする国家体系を作ることであろう。しかし、それを体現していた戦前の天皇制の下でさえ、軍事クーデターを完全に制御することは出来なかったことは歴史が示している。)。一旦武力衝突状態に入れば、現場の兵士・指揮官は状況に対する即応が必要であり、一々政治的判断を仰いでから行動するようでは生命の保証はない。
 結局は、最善でも事後承認を与えることだけが可能なのであって、過去に起こってしまった軍事行動を誤っていたからといって消し去ることは出来ないのは当然である。
 どのような制度を整備しても軍事組織を持つ限り、その暴走(=国民ないし国会承認を受けない軍事行動)を文民統制によって完全に制御することなど不可能と知らねばならない。このような状況を回避する唯一の道は、現行憲法を完全に履行し、紛争の解決手段としてのあらゆる軍事力を放棄する以外に道は無い。

 それにしても今回の田母神や多くの自衛官が応募した「真の近現代史観」という懸賞論文を主催したアパグループというのは不気味な組織ではある・・・。


No358 (2008/10/30)
麻生無責任・無策・ばら撒き内閣

 麻生というやつは、何と無責任のご都合主義、更に無策な金ばら撒き内閣であろうか!

 結局、早期解散で民意を問うという就任前の発言には頬かむりして、ずるずると延命しようとしている姿は無様である。本来ならば、所信を表明したうえで代表質問が終わった段階で、重要法案を成立させる以前に国会を解散して民意を問うべきである。全く民意と乖離してしまっている小泉内閣のいわゆる郵政選挙による現在の衆議院において重要法案を可決するなどもってのほかである。
 情勢は全く変わっている。国政では、小泉の弱者切捨ての政策が社会問題となり、外交ではブッシュの始めた対テロ戦争など虚構に過ぎないことが明らかとなった。これを総括しないまま政治を運営するなどとんでもない暴挙である。
 また、解散を行うために国会審議を形だけで済ませようとした民主党の姿勢も国会をないがしろにした恥ずべき行為である。
 更に今回の2兆円の給付金ばら撒きなど、国家的な選挙買収行為であって、現政権の無能振りをさらけ出している。このような無能で無策な内閣など一刻も早く退陣させねばならない。
 世界的な金融恐慌に対処するなどというのは口実に過ぎない、このような時のために参議院の緊急集会があるのであり、解散総選挙と連動させて論じるべきものではない。

 とはいえ、解散は総理大臣の専権事項であり、現状ではいつ解散されるかは定かではないが、次の選挙では自民・公明による民意を無視した横暴な内閣に対して不信任の姿勢を明確に示すべきである。


No357 (2008/10/16)
総括 気温変動と大気中CO2の関係

 今年の冒頭、HP管理者からNo.313で「今年一年でこれらのレポートをまとめなおして、人為的二酸化炭素地球温暖化仮説に対する本HPの立場を総括することにしようと考えています。」と書いておりました。今年も残すところ2ヶ月あまりとなってきましたので、そろそろ準備にかかろうと考えています。
 この一年間で、特に目新しい情報も無いようなので、内容的に新しさは無いのですが、このHPの中でばらばらに書き散らかしていた内容を、総括的に一つのストーリーにまとめるのが目的です。キャッチコピー的に言えば、「これを読めば全てがわかる!(笑)」的なものにしようと目論んでいます。
 まず、たたき台として本編に「総括 気温変動と大気中CO2の関係」として第一校を公開いたしました。分かりにくい点、説明が不十分な点や、論理的な飛躍や無理がある点があればご指摘いただきたいと存じます。

 ご協力をお願いいたします。


No356 (2008/10/03)
環境政策から見た税制/政府・自民党の詭弁

 国会の衆議院における麻生の所信表明、ならびに代表質問の一部を見ましたが、酷いものです。政府や与党自民党の諸君には庶民の苦しみや怒りなど理解の外にあるようです。相変わらず、麻生も彼の祖父時代の栄光を引きずって、本音は戦前回帰が理想なのかもしれません。
 代表質問で特に酷くて印象に残ったのが自民党細田幹事長の税に対する認識でした。一般消費税は累進課税だとは、恐れ入った認識です。この問題は後でゆっくり考えることにします。
 逆に、最も格調高く、的確だったのはやはり共産党の志位委員長の質問でした。しかし、麻生は全く本質的な答弁を行わず、建前論の形式的な答弁に終始したことは、誠に不誠実としか言いようのないものでした。

 あまりに酷い国会の様子を見てしまったので、国の環境政策、特に今回は税制面から少し私論を述べておきたいと思います。
 まず、日本国憲法では25条に国民の生存権が規定されています。具体的には、

25条1項
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
25条2項
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 生存権に照らして、税制の基本的なあり方は累進課税が基本であることは論を俟ちません。特に、小泉改革以降顕著になってきた社会福祉や社会保障制度改悪と、規制緩和による資本の競争原理の普遍的導入によって、所得格差の2極分化と貧困世帯の増大を見る時、徹底した累進課税による税徴収と、低所得世帯に対する社会福祉、社会保障制度を充実させることが生存権を実現することに直結することになります。
 取引される商品の性質に区別をつけずに、商取引において定率の課税を行う税を「一般」消費税と呼ぶようです。この大衆課税は、薄く広く課税することによって、貧乏人から大富豪まで定率の税金を支払うことを意味しています。税を徴収する側からは、税率を操作するだけでいくらでも、そして簡単・確実に税収を上げることの出来る、誠に都合の良い税制度です。一般消費税という『打ち出の小槌』がある限り、行政が本気で歳出の無駄を見直すなど、有り得ないことだと考えます。
 一般消費税は、給与所得以外に実質的資産を保有していない低所得者も、巨大な資産を保有する大富豪も商取引において定率で課税されるのですから、これは実質的に逆累進的な税制であることは明らかです。
 次に、取引される商品の質が問題になります。生存権を担保するための必要最小限の商品(=生活必需品)購入と、それ以外の商品購入は全く質的に異なるものと考えるべきです。生存権を担保するための生活必需品購入は、低所得者であろうと大富豪であろうとほとんど同じだと考えられます。つまり、生活必需品とそれ以外の商品=奢侈商品との税率を一律に設定することは、相対的に低所得者の生活を圧迫し、過大な負担を負わせることを意味します。一般消費税率の引き上げは、限界的な低所得者にとっては、掛け値なしに生きるか死ぬかの問題なのです。
 自民党の代表質問で細田幹事長は、金持ちほど商品購入に支払う経済支出が多く、それだけ多くの税金を払うのだから逆累進ではないなどという不見識というか自らの愚かさと、低所得世帯の苦しみなど眼中に無いことをさらけ出していました。
 以上の理由から、例え一般消費税が、「福祉目的税」であろうが「環境税」であろうが、社会福祉あるいは生存権から見て一般消費税に合理的な導入理由は無く、共産党が主張するように「一般」消費税は全廃すべきものです。特に、「福祉」の充実のために一般消費税を財源として構想するなど全くお話にならない論理矛盾なのです。
 消費税=商品取引に対する課税において累進性を実現するためには、生活必需品に対する課税を全廃した上で、奢侈商品に対する個別物品税を導入し、高額商品程税率を大きくすることが現実的な方法だと考えます。

 さて、本国会の代表質問についての感想はこれくらいにして、本題に入ることにします。環境政策と、あるべき税制度の姿について考えることにします。
 既にこのHP所収のレポート「生きている地球〜環境問題を見る視点〜」において次のように述べました。

 環境問題の本質とは、既に見てきたように工業化社会という閉鎖型のシステムが資源を一方的に消費して地球環境に物エントロピーを増加させ、地球の定常性を破壊している問題でした。「閉鎖系の全ての活動はエントロピーを単調に増加させる」という熱学の法則は、環境問題を工業技術で解決することができないことを示しています。どんなに高度な工業技術にもエントロピーを減らすことは絶対できないのです。これはやってみないと分からない問題ではなく、既に結論の出ている問題です。私たちはまず、この『事実』を受け入れるところから環境問題に対処する方法を考え始めなければなりません。
 現在の環境問題の原因は肥大化した工業生産システムの存在にあります。そして、環境問題は工業技術では解決することが出来ません。ですから、対処の方法はほとんど自明です。まず第一に、原因である工業生産システムを段階的に縮小していくことです。そして、これまで工業生産システムで傷つき、失われた、地球の定常性を保証している最も基本的で重要な仕組である生態系の物質循環を回復し、さらに豊かなものにしていくことです。

 また、次のようにも述べました。

 第一に、工業生産システムの縮小です。同時に、工業生産システムを含む人間の社会システムの物質循環を、地球の生態系の物質循環システムに繋げていくことが必要です。そのためには、生物としてのヒトの生存に必要でない物の製造、あるいは生態系の物質循環になじまず、深刻な汚染をもたらすような工業生産システムは速やかに縮小、廃止していくことが必要です。公共事業では、これまでの工業生産活動や無理な土地開発で傷つき汚染されてきた環境に、本来の生態系の物質循環を回復し、更に豊かにするような基盤整備を行うことが必要です。同時に、工業的なエネルギーや物質によって支えられている工業化された『閉鎖型の農業』を、本来の生態系の循環に依拠した『開放型の農業』に戻していくことが必要です。特に現在の人間社会が当面、最初に遭遇する最も深刻な問題であると考えられる世界的な食糧供給の絶対量の欠乏に備えて、農業構造の建て直しは焦眉の課題です。

 槌田敦は、著書「新石油文明論」の中で、『「社会というエンジンを制御・運転する方法」としての徴税政策と生産規制・商業規制が必要である。』(p.100)と述べています。
 現在の工業生産を基盤とした資本主義経済体制の社会は、放置すれば限りなく肥大化を続け、環境を破壊していく「化け物」です。行政は、この化け物の野放図な活動を抑制するための法的規制を行い、同時に生産・商業活動に対して課税することによって、社会の生産規模を適正に保ち、健全な物質循環を維持することが必要です。

 具体的には、工業生産に基づく産業規模を不必要に肥大化させない、現状を考えるならば産業規模を縮小させるために、法人税を極限にまで高めることが必要です。産業規模拡大のための設備投資に充てるという名目の巨大な内部留保は吐き出させることが必要です。
 次に、地域の物質循環を破壊する資源の大量かつ大域的な移動を規制する意味から、輸入制限措置としての高率関税を課す権利を担保しなくてはなりません。WTO体制からの脱退こそ今行うべきことです。
 更に消費行動において、不必要な贅沢品や不要不急の商品購入を抑制する目的から、一般消費税を全廃し、生活必需品に対する消費税を廃止した上で、奢侈品に対して高率の個別物品税を導入することが有効です。

 さて、このような税制を行えば、経済規模が縮小してしまうではないか、という批判が聞こえてきそうです。正に、それが目的なのです。環境問題の唯一の解決策とは、工業生産によって肥大化した産業規模を縮小して、生態系の物質循環に依拠した農林水産業を中心とする自給的な社会・生産構造を回復し、その中でつつましく相互扶助によって営まれる社会に変革することなのです。

 現在の石油消費によって成り立つ工業化社会の中では、石油を始めとする炭化水素燃料消費量の削減は工業生産規模の縮小に直結することは間違いありません。しかし、二酸化炭素による地球温暖化などというものは虚構に過ぎませんから、石油燃料という最終商品に対する特別課税を「石油消費税=環境税」として大衆課税して、これを「温暖化対策」の財源にするなど全く非論理的です。あくまでも営利目的の生産・商業活動を行う法人に対して課税することが最も有効な環境対策なのです。


No355 (2008/09/30)
つくば市風力発電訴訟/他山の石と出来るか?

 このコーナーでもNo.192(2006/01/16)「ある風力発電の破綻」として取り上げたつくば市に導入された回らない風力発電システムの訴訟の一審の判決が出ました。まずは新聞記事から紹介します。


早稲田大に2億円賠償命令 つくば市の風力発電訴訟
2008年9月29日 16時28分

 小中学校に設置した小型風力発電機が計画通りに発電しなかったとして、茨城県つくば市が業務委託先の早稲田大と、風車を製造したイーアンドイー(大阪市)に約3億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、同大に約2億円の賠償を命じた。

 荒井勉裁判長は「早大は、期待された発電量が得られず、消費電力が発電量を大幅に上回ることを説明しなかった」と指摘。一方で「事業推進に慎重な検討を迫る材料があったのに、大学側の調査をうのみにした」と市の過失も認め、賠償額を算定した。

 イー社については「発電量達成を保証したとはいえない」として、請求を棄却した。

 判決によると、つくば市は2004年、二酸化炭素排出削減などのため、風力発電事業の基本計画の策定などを早大に委託。約3億円かけて、市内の小中学校に計23基の風車を設置したが、発電量は予定を大幅に下回った。
(共同)


 早稲田大学は即日上告を決定したようですが、恥の上塗りになるのは避けられないでしょう。

 つくば市に導入された風力発電装置はダリウス型風車にサボニウス型風車を組み込んだ縦軸型の風車を持つ比較的珍しい形式の風力発電装置です。プロペラ型風車に比べて風向変化に対する追尾機構が省略できるというメリットはありますが、風エネルギーの補足効率はあまり高くはないと思われます。しかし、本質的な問題は風車の形式に帰すべきものではないと考えますが・・・。

 判決では、原告つくば市にも「大学側の調査をうのみにした」過失があるとしています。これは事業主体の責任の所在を明らかにしたもので、非常に重要な指摘であると考えます。
 温暖化対策と称して、風力発電を始めとするいわゆる新エネルギーの導入が盛んであり、無知な地方自治体を騙して儲けを狙うメーカーやコンサルタントは巷に溢れています。地方自治体の担当者諸君は、今回のつくば市の例を他山の石として、自らの責任を自覚して徹底的な検証を行うことを切に願います。


No354 (2008/09/30)
大丈夫?気象研究所

 昨日、久しぶりに国土交通省気象庁気象研究所からのアクセスがあったので、気象研究所のHPを閲覧しました。そこで面白い記事を見つけましたので皆さんにも紹介しようと思います。2008年8月8日付で公開されたレポート『地球温暖化の基礎知識』です。
 さて、このところ地球科学の実践的な研究者、例えば東工大の丸山茂徳氏やアラスカ大学の赤祖父俊一氏らの発言によって、近年の温暖化傾向が一般的に言われている人為的に排出された付加的な二酸化炭素による温暖化ではないことが一般にも少しづつですが認知されるようになって来ました。
 このような状況下で、IPCCを信奉する我国の政府は、国の環境政策の根幹をなす二酸化炭素地球温暖化仮説を何とか擁護しなければ大変なことになるという危機感を持っていることは想像に難くありません。国土交通省の下部機関である気象研究所の研究官僚諸君には、皮肉ではなく同情すべき点があることは理解できます。しかし、自然科学の研究者であるならば、優先すべきは政策ではなく科学的事実であるべきだと考えます。

 さて、『地球温暖化の基礎知識』について、少し内容を紹介しておきましょう。まず冒頭で次のように述べています。

 この「地球温暖化」ですが、世界各国の研究機関であらゆる角度から科学的な研究が行われた結果、石炭や石油などを燃やすことによって排出される二酸化炭素(CO2)などの人間活動に原因があることがほぼ確実であることがわかってきました。研究に携わる方以外の多くの人も原因がCO2にあると聞いて納得しているのではないでしょうか。(「はじめに」より、下線近藤)

 これはお決まりの「コンセンサス主義」による妥当性の正当化です。少なくとも東北大の明日香等の素人ではなく、研究機関のレポートですから、これはいただけません。彼等の弱気な主張が良く分かります。さて、次の部分では温暖化の理論的な背景について触れています。

 代表的な温室効果ガスは、水蒸気と二酸化炭素です。あまり知られていませんが、そのほか、メタン、一酸化二窒素、オゾン、ハロカーボン類(いわゆるフロンガスなど)にも温室効果があります。ここで強調しておきたいことは、これら温室効果ガスをすべて加えても大気中の気体の1%程度の濃度しかなく、大気中の多くを占める窒素(大気中の78%)と酸素(21%)はほとんど温室効果をもたないという点です。つまり、今日の温暖な気候はわずかな量の温室効果ガスによって実現されています。ですから、人間活動による温室効果ガス(主に二酸化炭素)の排出が、地球全体の気温を上昇させるほどの影響力をもち得るのです。(「1-2温室効果」より、下線近藤)

 これはほとんど詭弁といってよいでしょう。温室効果ガスが大気中において希少な気体であることを理由に、人為的に排出されたわずかな二酸化炭素に気温を顕著に上昇させる影響力があるなどというのは、あまりにも飛躍した論理展開と言わざるを得ません。

 人間活動は、温室効果ガスや微粒子(エーロゾル)の排出等により、地球の気候変化を引き起こしつつあります。温室効果ガスやエーロゾルが大気中に含まれる量や性質が変わると、地球に入射する太陽エネルギーや地球から宇宙空間へ出て行くエネルギーの流れが変わり、気候システムは温暖化したり寒冷化したりします。工業化の開始(1750 年頃)以降、人間活動が気候に及ぼした総合的な効果は温暖化の方向に働いています。この期間の気候に対する人類の影響は、太陽活動の変化や火山噴火のような自然要因による変化をはるかに超えています。(「1-3人間活動の影響」より、下線近藤)

 これはまた大胆な主張です。人為的な影響が太陽活動や火山噴火などの自然要因よりも大きな影響を持つなどということが一体いつどういう事実によって確認されたというのでしょうか?
 このレポートの主張は、近年の温暖化傾向が二酸化炭素による温暖化だという前提に立つものであり、結局気候シミュレーションにおいて人為的影響を考慮すると良く説明できるというお決まりのストーリー展開になるのです。

 気象研究所の研究官僚諸君も他の省庁同様、無駄飯食らいと言われても仕方ないように思います。大丈夫ですか?気象研究所・・・。